こんな映画を観てきた

 

 

≪ひとりよがりの映画館≫ 2016/2     

 

 

このコーナーでは 遠い昔や近い昔を行き来しながら、劇場であるいはDVDで鑑賞した映画を 

 

何の脈絡もなく選び、独自の感想を加え勝手に掲載していきます。

 

ネタバレの作品もあります。 基本的にDVDがレンタルあるいは販売されている映画を紹介します。 

 

 

新作映画の紹介は「感想のページ」をご覧ください

 

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「カプリコン・1」


 

 

 カプコン

 

 

   1977年日本公開  アメリカ/イギリス映画 上映時間 209

                              <予告篇>日本語字幕なし

     監督:ピーター・ハイアムズ   音楽:ジェリー・ゴールドスミス

     出演:エリオット・グールド ジェームズ・ブローニン カレン・ブラック

       テリー・サバラス ハル・ホルブルック OJ・シンプソン

 


 20162月現在公開中の「オデッセイ」を観ていてこの作品を思い出しました。オデッセイは火星に置き去りにされた男(マット・デイモン)が、いかにして生き抜き、地球に帰還するかという話ですが、カプリコン・1(ワン)は火星に行けなかった男たちの物語で、その裏にあったNASAの陰謀を暴いていくというストーリーです。オデッセイがサイエンス的なのに対してこちらはサスペンス的要素が強い作品です。

 

 東の空が赤く染まる中、人類史上初の有人火星宇宙船カプリコン・1の打ち上げが目前に迫っていました。発射30分前、カプリコン・1にブルーベーカー、ウィリス、そしてウォーカーら飛行士が乗り込みますが発射直前、突然ハッチが開き3人は船外に連れ出されます。そして、カプリコン・1は、人々の喝采を浴びる中、無人のまま火星へ向かって飛び立って行くのです。一方、3人の元・宇宙飛行士はNASAの小型ジェット機に乗せられ砂漠の中にある閉鎖された基地の格納庫に連れて行かれます。そこには、NASAのケラウェイ所長がいてカプリコン・1の生命維持装置に欠陥が見つかったが国民の経費削減の声を打ち消すためにはカプリコン1を絶対に成功させなくてはならないと言われます。3人は、家族の安全と引きかえに格納庫内につくられた火星のセットで大芝居を強要されるのです。そして、その大芝居が宇宙中継の形で、TV放送されるのですが、その電波に疑問を持つ管制室職員がいました。彼は友人の新聞記者にその事を洩らした後、行方不明になってしまいます。発射から259日後、無事“火星着陸”をやってのけたカプリコン・1が帰還の途につきますが、大気圏再突入の際、耐熱シールドががれるという大事故が起こり、カプセルは燃え尽きてしまいます。となるとNASAにとっては3人の宇宙飛行士が生きていればまずいことになります。そのことに気付いた3人は格納庫から脱走します。砂漠の中をそれぞれが別方向に必死で逃げる3人。それを追うNASAのヘリ。ラストシーンは実に痛快です。今から40年近く前の1977年、アポロ11(1969)の月面着陸の8年後に公開されたこの映画は意表を突いたシナリオの面白さで最後まで見せきってしまいます。当初、協力的だったNASAが内容を知った途端、協力拒否に転じた話は有名です。農薬散布用複葉機の操縦士役でテリー・サバラスが、3人の宇宙飛行士の内の一人にOJ・シンプソンが出演しています。                       〈紅孔雀〉