「レッド・ファミリー」「百円の恋」





レッドファミリー



2013年 韓国映画 1h40  <予告編>

 

監督:イ・ジュヒョン  製作・脚本・編集:キム・ギドク

 

出演:キム・ユミ(妻)/チョン・ウ(夫)/ソン・ビョンホ(祖父)/パク・ソヨン(娘)

 


チラシなどを読んで、当初コメディーだと思っていたら、とんでもない。しっかりとしたシ


リアスな物語でした。観終わった後の衝撃は、韓国映画のファンが急増するきっかけになった


映画『シュリ』を彷彿させました。


『嘆きのピエタ』などで、世界中の高い評価を得ている鬼才キム・ギドク監督が、今作は脚


本と製作総指揮を担当し、演出は弟子ともいえるイ・ジュヒョンに委ねた作品です。


ソウル市内の住宅地に隣接する2軒の家族。両親と高校生の息子、祖母の4人家族と両親と


高校生の娘、祖父の4人家族が繰り広げる悲喜劇。北からの諜報活動工作員として潜入してい


るニセ家族と、あけっぴろげなドタバタ家族との対比、互いに影響し合っていく様子が次々と


観る者を引っぱっていきます。


“家族”というモチーフをもとに、朝鮮半島の南北問題を取り上げた傑作がまた1本誕生しま


した。ぜひ、映画館でご覧ください。               

                                    (せん寿)


 

 百円の

 

 2014年 日本映画 1h53 <予告編>

 

監督:武 正晴 脚本:足立 紳


出演:安藤 サクラ/新井 浩文

 


故・松田優作の出身地・山口県で2009年から開催されている周南映画祭。そこで、


2012年新設された脚本賞・「松田勇作賞」第1回グランプリに選ばれた足立紳の脚本を


「インザ・ヒーロー」の武正晴監督が演出した。第27回東京国際映画祭スプラッシュ部門受


賞作品。


実家で昼夜逆転のひきこもり生活を送っていた32歳の一子(いちこ)は、離婚して出戻っ


た妹と大喧嘩の末、いきおいで家を飛び出す。


百円ショップで深夜勤務の職にありついた一子が通勤途中でいつも見かけるボクサーに恋を


する。しかしその恋も破たん。


すこしずつ前に向いて足を踏み出し始めた一子は、自らのためにボクシングジムのドアを開


ける…。


主人公一子を演じる安藤サクラが凄い!女優の生命線ともいえる素顔、肢体をさらけだし熱


演。ボクサー役の新井浩文も好演。


山口県内のいろいろな所がロケ地として使われているので、詳しい方には見覚えのある動物


園などが分かるかもしれません。


(2015年1月10日(土)からサロンシネマにて公開予定)       (せん寿)