「おみおくりの作法」
おみおくりの作法
2013年製作 イギリス/イタリア合作映画 上映時間1h31 <予告篇>
監督/脚本:ウベルト・パゾリーニ
出演:エディ・マーサン / ジョアンヌ・フロガット / カレン・ドルーリー
ロンドンの南部、ケニントン地区の公務員(民生係)である44歳のジョン・メイ
の仕事は、孤独死した人の葬儀を執り行うことです。
彼は死者が生前暮らしていた部屋に行き、死者の足跡を辿ります。そして家族を
見つける努力をします。見つからない場合は彼自身がその人のために葬礼の音楽
を選び、弔辞を書き、牧師と二人でおみおくりをするのです。
規則正しい生活をおくりながら、ジョン・メイはいつもひとりで仕事をして
います。彼自身にも身寄りはいません。ある朝、ビリー・ストークという年配の
アルコール中毒患者の遺体がジョン・メイの真向いのアパートで発見されます。
目と鼻の先に住んでいた人が孤独死していてジョン・メイ自身その人の事を
何一つ知らなかったという事実にショックを受けます。
ジョン・メイはビリー・ストークのために、彼の部屋にあったアルバムを
手掛かりにイギリス中を回り、ビリーの人生の空白を埋めていきます。
小さな交差点でも決して安全確認を怠らないジョン・メイ。
最後まで手を抜かず自分の仕事を全うしようとするジョン・メイ。
孤独死した人々の生前の苦悩を思い、それを眉間の皺に深く刻み込んだような
ジョン・メイ。
フィンランドの映画監督アキ・カウリスマキを思い起こさせる作風で、ラスト、
エッと思わせる展開とやがて静かな感動がやってきます。 <紅孔雀>