2012/11月掲載
「ブロンクス物語」「ザ・ペーパー」
STAFF
監督・・・・ロバート・デ・ニーロ
脚本・・・・チャズ・パルミンテリ
撮影・・・・レイナルド・ヴィラロボス
音楽・・・・ブッチ・キンボール
CAST
カロジェロ・アネロ・・・・・リロ・ブランカート・ジュニア
ロレンツォ・アネロ・・・・・ロバート・デ・ニーロ
ソニー・・・・・・・・・・・チャズ・パルミンテリ
ジェーン・ウィリアムズ・・・タラル・ヒックス
カーマイン・・・・・・・・・ジョー・ペシ
ロバート・デ・ニーロの初監督作品です。
1960年ブロンクス。街にはドゥーワップが流れ、若者はエネルギーを持て余していた頃の話です。
街は白人地区と黒人地区に二分されています。その白人地区にカロジェロのアパートがあります。
ストーリーはこのカロジェロの成長物語で彼のナレーションで進行していきます。カロジェロの住居の隣に
バーがありここに地域のマフィアがたむろしています。そのボス、ソニー(チャズ・パルミンテリ)はカロジェロの
憧れの存在でした。ある日、カロジェロはソニーが人を撃ち殺す現場を目撃しますが、警察には撃ったのは
ソニーではないと証言します。以来、ソニーは彼をかわいがり、いろいろなことを教えてくれます。
カロジェロの父ロレンツォ(ロバート・デ・ニーロ)は実直なバスの運転手です。
9歳の息子が権力と金に引きつけられることを嫌い、ソニーと会うことを禁止します。
しかし、カロジェロはソニーを父のように慕って成長していくのです。やがて8年の歳月か流れ、
17歳になったカロジェロ(リロ・ブランカート・ジュニア)はソニーの仲間たちから「C」という愛称で呼ばれる
ようになっています。そんなある日、彼は父の運転するバスで出会った黒人の少女ジェーン(タラル・ヒックス)に
恋をします。だが、街では黒人と白人が激しく対立していました。些細なことでカロジェロの仲間が黒人と対立し
抗争へと発展していきます。カロジェロは不良仲間に誘われ黒人街に焼き討ちに行こうとしますが、
間一髪ソニーに力づくで止められます。カロジェロを残し黒人街に襲撃に行った若者たちはその後・・・。
ソニーはカロジェロへ言います「俺のまねはするな。自分の人生をいきろ」と。
そして父親からは「ソニーを嫌っていたわけではない。ただお前を守りたかったのだ」と聞かされます。
カロジェロはソニーから「男の矜持」を学び父親からは「人生」を学んで成長していくのです。
ロバート・デ・ニーロが初監督らしからぬ手堅い演出ぶりで少年を取り巻く数々の出来事をきれいに捌き
この映画を完成度の高いものに仕上げています。
ザ・ペーパー
1995年日本公開 アメリカ 上映時間1h52
STAFF
監督・・・・ロン・ハワード
脚本・・・・デヴィッド・コープ
スティーヴン・コープ
撮影・・・・ジョン・シール
音楽・・・・ランディ・ニューマン
CAST
ヘンリー・ハケット・・・・・マイケル・キートン
マーサ・ハケット・・・・・・マリサ・トメイ
バーニー・ホワイト・・・・・ロバート・デュバル
アリシア・クラーク・・・・・グレン・クローズ
マイケル・マクドゥーガル・・ランディ・クエイド
大勢の人間が動き回り雑然とした新聞社の一日を監督のロン・ハワード(バックドラフト・アポロ13)が見事に
さばいてみせます。午前7時。NYの地方紙「サン」の編集局次長ヘンリー(マイケル・キートン)は起床し
各紙の朝刊に目を通しますが深夜ブロンクスで起きた殺人事件を「サン」だけが載せていないことが判ります。
いわゆる「特落ち」です。その日の午後、ヘンリーは大手新聞社「センチネル」移籍のために面接を受ける
ことになっていました。午前9時。出社したヘンリーに、上からは「特落ち」の責任追及、記者からはあらゆる
情報や要求が寄せられ、はたまた、エアコンの修理業者もやってきて、たちまちオフィスは混乱状態になって
しまいます。午後ヘンリーは面接に出掛けますが、「サン」を侮辱され、カチンときたヘンリーはデスクの上の
メモから例の殺人事件に関する特ダネを拝借します。そしてその頃、殺人事件の容疑者として、2人の黒人少年が
逮捕されます。午後3時、帰社したヘンリーを、臨月の妻マーサ(マリサ・トメイ)が面接の結果を心配して
待っていました。編集会議 ― 編集局長のアリシア(グレン・クローズ)は昨夜の事件をトップに、
「犯人逮捕」の大見出しにと主張します。しかし、ヘンリーは誤認逮捕だと信じ、2人は真っ向から対立。
8時までに容疑者の写真と無実の証拠をつかまなければ、彼の主張はボツになってしまいます。
ヘンリーは街に飛び出しますが、確証を得られないまま、時は刻々と過ぎていきます。
マーサの協力も得て最後に新聞記者の矜持が示されます。