春を背負って
2013年製作 日本映画 1h56 <予告編>
監 督:木村 大作
出 演:松山 ケンイチ/蒼井 優/豊川 悦司
「剱岳 点の記」に続く、キャメラマン木村大作(74歳)の監督の山岳映画第二弾です。監
督第一作は、日本地図作成のため未踏峰の剱岳を登頂しようと挑む先人たちの苦闘を、CGなし
のキャメラワークで撮り、気合の入った映画に仕上がっていました。
それに比べると二作目は少し肩の力を抜いた感もあります。とはいえ、3000メートル級の
立山連峰でのロケは見応え充分です。山男・山ガールには堪えられないでしょう。私はハイキン
グ程度の趣味しかありませんが、厳しくもやさしい山々の景色に圧倒されました。
厳格な父(小林薫)に反発して東京に出て、最先端の大企業で億単位のカネを動かす主人公
(松山ケンイチ)、年収1千万以上は軽くあるでしょう、だけど空しさも感じている。そんな生
活に見切りをつけ、父の遺したあんまり儲けにならない山小屋を継ぐ決意をします。そこには、
父の友人という変わり種の先輩ゴロちゃん(豊川悦司)、見慣れない女性愛ちゃん(蒼井優)が
いました。そこで起きる事件や危機を乗り越えて、ごく自然に納得のハッピーエンド。
美しい自然と人と人との心のふれあい、そして若者の成長を描いて、私の邪悪な心が洗われる
ような気持ちがいたしました。まさに、王道をゆく映画と申しましょうか。心からおすすめいた
します。 (OK)